こんにちは!読みに来てくださりありがとうございます。ハロウィーンの季節ですね みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、今日はお礼を言うときの代表的な表現である「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違いについて考えてみたいと思います
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違い
現在形の「ありがとうございます」は、みなさんご存じ一般的なお礼の表現で、直前に行われたことや、今行われていること、これからも継続して行われることに対して使われます。
一方、過去形(タ形)の「ありがとうございました」は、物事が完結した後に、それに対する感謝を表します。また、ある場面を終わらせるための区切りとして使われます。
つまり、通常のお礼の表現は「ありがとうございます」で、これに完了や終了のニュアンスが加わった表現が「ありがとうございました」です。では、それぞれどのような場面で使えるのか見ていきましょう
実際はどのように使われているの?
まずは、昼休みに外出していた同僚が帰りがけにケーキを買ってきてくれた場合を考えてみましょう。以下の場合、どちらが適切だと思いますか?
同僚 :「今日のおやつにケーキを買ってきました!」
返事1:「ありがとうございます!」
返事2:「ありがとうございました!」
ケーキを買うという行為は過去のものなので「ありがとうございました」が正解かと思いきや、このような通常のお礼には、実際にそれが過去に行われたことであも「ありがとうございます」を使うのが一般的です。
ただし、例えば取引先とのミーティング用などにもともとケーキを買うというタスクがあって、それを完了したことで業務に一区切りついた、という状況であれば「ありがとうございました」も自然です。また、ケーキを食べ終わったら、過去の物事が完了したと見なされるので「美味しかったです。ありがとうございました」などと改めてお礼を言うこともできます。
では、警察に落とした財布を取りに行ったときの返事としてはどちらが適切でしょうか。
警察官 :「はい、こちら落とし物の財布です。」
返事1:「ありがとうございます。」
返事2:「ありがとうございました。」
この場合は、どちらも自然な表現と言えますが、厳密に言えばお礼の対象が異なります。「ありがとうございます」は、今財布を渡してくれている警察官に対するお礼です。一方、「ありがとうございました」は警察署で財布を受け取って、連絡して、保管して、渡してくれたという一連の行為に対するお礼です。この場合、話し手の意識の上では、話し手が警察に財布を取りに行った時点で一連の行為は完了しています。
では、駅で財布を落としたら誰かが拾って渡してくれたときは?
見知らぬ人 :「これ、落としましたよ。」
返事1:「ありがとうございます。」
返事2:「ありがとうございました。」
財布を渡してくれる行為は今起こっていることなので、「ありがとうございます」はもちろん自然です。しかし、このような場合に「ありがとうございました」を使うという人も結構いるようです。これは「ありがとうございました」と言うことで、その場を終わりにしてこれ以上迷惑をかけるつもりはないことを相手に伝えたいという話し手の意識からくるようです。
別れの挨拶代わりの「ありがとうございました」
最後の例の「ありがとうございました」の用法は、別れの挨拶としての「ありがとうございました」の一部だと言えるかもしれません。「ありがとうございました」は全ての行為が完了した後に、別れの挨拶の代わりに使われることもあります。例えば、電車で席を譲ってもらったとき。
見知らぬ人 :「どうぞ。」
返事:「ありがとうございます。」見知らぬ人が次の駅で電車を降りようとするとき:
挨拶:「ありがとうございました。」
このように、通常のお礼は「ありがとうございます」ですが、別れ際の「ありがとうございました」は、最後にもう一度感謝を伝えつつ、「さようなら」という別れの挨拶も含んでいます。
というわけで、二つのお礼表現の違いでした!今日も記事を読んでいただき、ありがとうございました! 千絢
English
Hello! Thank you for coming to read this. How are you all doing?
Today I would like to talk about the difference between ありがとうございます and ありがとうございました which are common expressions for saying thank you
The difference of ありがとうございます and ありがとうございました
ありがとうございます in the present tense is a common way of saying thank you, which is used when something that has just been done, is being done now, or will continue to be done.
On the other hand, ありがとうございました in the past tense is used to show gratitude for something that has been completed. It is also used as a way to mark the end of a certain situation.
In short, ありがとうございます is the usual expression of thank you, while ありがとうございました adds a nuance of completion or ending. Let’s look at situations where each is used.
How are they actually used?
First, let’s consider a situation where a coworker who was out at lunchtime brings a cake back to the office. In this case, which do you think is more appropriate?
Co-worker : ‘I bought cake for today’s snack!’
Response 1: ‘ありがとうございます!’
Response 2: ‘ありがとうございました!’
Considering the act of buying the cake is in the past, ありがとうございました could look like a correct answer. However, it is generally common to use ありがとうございます for such everyday expressions of gratitude, even if the action has actually happened in the past.
However, if buying cakes was originally a task for a meeting with a client and completing it means the work is done, then ありがとうございました would also sound natural. Also, once you finish eating the cake, it’s considered that the activity is complete, so you can also express gratitude again by saying, like 'It was delicious. ありがとうございました.’
Now, what about when you go to the police to pick up your lost wallet?
Police Officer : ‘Here is the wallet you lost.’
Response 1: ‘ありがとうございます。’
Response 2: ‘ありがとうございました。’
In this case, both are natural, but the focus of thank-you is different. ありがとうございます is for the police officer who is now handing you the wallet. ありがとうございました is for the entire process of receiving from someone who found the wallet, contacting you, storing it, and returning it to you. In this case, from the speaker’s perspective, the series of actions is complete once they receive the wallet.
So, what about when you drop your wallet at the station and someone picks it up and hands it to you?
Stranger : ‘You dropped this.’
Response 1: ‘ありがとうございます。’
Response 2: ‘ありがとうございました。’
The act of returning the wallet is happening now, so ありがとうございます is naturally appropriate. However, there are some people that would use ありがとうございました in these kinds of situations. This seems to be because by intentionally using ありがとうございました which implies an ending, the speaker wants to convey the other person that they have ended the situation and they do not intend to cause any further trouble.
ありがとうございました as a Farewell
Using ありがとうございました in the third example can be considered as a part of this expression as a farewell. ありがとうございました can replace a goodbye after all actions are complete. For example, if someone offers you a seat on the train:
Stranger : ‘Here, take my seat.’
Response: ‘ありがとうございます。’As the stranger leaves at the next station:
Greeting: ‘ありがとうございました。’
In this way, you can say ありがとうございます as thank-you, but you can imply goodby by saying ありがとうございました when the person leaves.
In this way, the usual expression of gratitude is ありがとうございます, but ありがとうございました conveys appreciation one more time and also includes ‘goodbye’ as the farewell greeting.
So, it was the difference between the two expressions of gratitude! Thank you for reading, ありがとうございました!Chihiro
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