すしの漢字は、鮨?寿司?[どっちシリーズ その2]

[English below]

こんにちは!みなさま、いかがお過ごしですか?私は先日、回らないおすし屋さんに行ってきました!大学生の頃に地元のおすし屋さんでアルバイトをしていたのですが、当時の雇われ店長が28年の修行を経て独立開業したお店です。それはそれは至高のひとときでした。

その店の名前には、「鮨」という漢字が入っており、「すし」の表記は「寿司」が一般的なのに、あえて「鮨」を使うところに店長のこだわりを感じました。というわけで、どっち?!シリーズの第二回では、すしの表記の違いについて取り上げることにしましょう (^_^)つ :sushi: {へい、らっしゃい!)


さらっと、おすしの歴史をば :fish:

すしの起源は、中国を経由して東南アジアから伝わった、魚を塩と米に漬けて発酵させた保存食「熟鮓(なれずし)」です。酸っぱいから「すし」と呼ばれたと言われたとか。当時、米は発酵に使うだけで、食べるのは魚の部分だけでした。それが室町時代(1336〜1573年)になり「すしを早く食べたい!」と切望した庶民により、発酵時間が短縮され米も一緒に食べられるようになりました。さらに酢が登場し、発酵促進剤として一役買うことに。そして江戸時代(1603〜1868年)に、みなさんお馴染み、魚の切り身と米を握って作る「江戸前ずし」が生まれました。これが関東大震災や第二次世界大戦をきっかけに東京を離れた江戸前ずし職人により全国に広がり、以来、江戸流の握りずしは現在もすしの主流であり続けています。

(あれ?「すし」を表す漢字には鮓もあるの?既に「どっちシリーズ」のテーマを超えているじゃないか… :shushing_face:しーっ)


鮓、鮨、寿司へ…。変わりゆく「すし」の表記 :shell:

もともと中国では、鮓は「魚と穀物の漬物」で、鮨は「魚の塩辛(ご飯なし)」という意味だったのが、日本に伝わる以前に混同され、区別がなくなったようです。

とはいえ、日本では「熟鮓(なれずし)」が唯一のすしであった頃は、鮓と書かれることが多かったと言われます。そこから、鮨という表記が徐々に増えていきます。その理由ははっきりとはわかっていません。個人的には、時代と共にすしの種類が増え、元来の「鮓」と明確に区別する必要があったからでは?と考えています。が、「単に魚のすしが旨いから鮨を使った」なんて説もあるようです :rofl:

江戸時代に入ると、「寿司」という表記が生まれます。これは中国由来の漢字ではありません。すしはおめでたい席で食べられることが多かったので、縁起を担いで「寿(ことぶき)を司(まつ)る」という字が当てられたのでした。この表記には魚へんがないので、どんな材料のすしにも使えます。


今はそれぞれどうやって使われているの? :octopus:

すしには今も正式な表記方法がなく、どの漢字を使うか、はたまたひらがなやカタカナにするかはお店が自由に決められるようです。三つの表記の使われ方の傾向をまとめると、こんな感じでしょうか。

  • 鮓:今ではあまり使われない。関東ではほぼ見ないが、関西にはまだ残っているらしい。
  • 鮨:今でも主に個人のすし屋の店名に使われている。質の高さやこだわりを感じる漢字。
  • 寿司:現在では最も一般的な表記。魚へんがなく、包括的な印象がある。

すしのネタは魚に限らず、玉子や野菜(例:芽ねぎ)もあるし、肉ずしなんてものも、さらに世界にはカリフォルニアロールのようなものまであります。伝統的な鮓や鮨にも残ってほしいですが、どんどん進化を遂げるすしには、現状として、どんなネタにも使える「寿司」という表記がぴったりなのかもしれません。

ではでは、また来週!千絢より (^_^)つ :tea: {まいどありー)

English

Hello! How are you all doing? The other day, I visited a non-conveyor belt sushi restaurant! During my university days, I used to work part-time at a local sushi place. The current owner, who used to be a hired manager back then, opened his own place after 28 years of training. It was an exquisite experience.

The name of that shop had the kanji 鮨 in it. Despite 寿司 being a common way to write ‘sushi,’ the manager’s choice to use 鮨 shows a manager’s dedication. So, for the second post of ‘Which One?!’ series, let’s explore the differences of kanji for ‘sushi’ (^_^)つ :sushi: {Hey, welcome!)


Briefly, the history of ‘sushi’ :fish:

The origins of sushi trace back to 熟鮓 (narezushi), a fermented dish of fish, salt, and rice that was brought from Southeast Asia via China. It was called ‘sushi’ due to its sour taste. Back then, rice was only used for fermentation, and people ate only the fish part. However, during the Muromachi period (1336-1573), commoners who longed to eat sushi quickly led to a reduction in fermentation time, which allowed for rice to be eaten together with fish, and vinegar started to be used as a fermentation accelerator. Subsequently, in the Edo period (1603-1868), the familiar ‘Edomae-zushi,’ in which fish slices and rice are molded together, was born. It was spread nationwide by Edomae-zushi chefs who left Tokyo after the Great Kanto Earthquake and World War II. Since then, Edomae-style hand-pressed sushi has remained the mainstream.

(Wait, is there another Kanji 鮓 for ‘sushi’? We might be going beyond the theme of the ‘Which One?!’ … :shushing_face: Shhh)


From 鮓, 鮨 to 寿司. The evolution of ’sushi’ in writing over time :shell:

Originally in China, 鮓 meant ‘fish and grain pickles,’ while 鮨 meant ‘salted fish (without rice),’ but the meanings got mixed up before these kanji came to Japan.

In Japan, when 熟鮓 (narezushi) was the only type of sushi, it was commonly written as 鮓. From there, the use of 鮨 gradually increased. The exact reasons for this change is unclear, but I personally believe it was to distinguish new types of sushi from the original 鮓. However, there is also a theory that says, ‘Maybe they used 鮨 just because fish sushi tastes good (旨い)’ :rofl:

In the Edo period, the writing 寿司 emerged. This was not the Chinese-origin kanji. Since sushi was often enjoyed at celebratory occasions, the characters 寿 (kotobuki) - celebration or longevity and 司る (tsukasado-ru) - to administer or manage, were chosen for their auspicious meanings. Because it does not include the ‘fish’ radical in it, it can be used for sushi made with any kind of ingredient.


How are each of them used now? :octopus:

There is still no official way to write sushi, and restaurants can freely choose which characters, or even hiragana or katakana, they prefer. Here’s a brief summary of the current tendencies:

  • 鮓: Rarely used today, mostly absent in Kanto but still seen in Kansai.
  • 鮨: Still occasionally used in names of individual sushi restaurants, giving a sense of dedication and quality.
  • 寿司: The most common writing currently, offering a more inclusive feel since it doesn’t use the ‘fish’ radical.

Sushi toppings are not only fish but also egg, vegetables (e.g., green onions), and even meat. Globally, there are variations like the California roll. While preserving traditional 鮓 and 鮨, the inclusive 寿司 seems a perfect writing for modern sushi that continues to evolve.

See you next week! From Chihiro (^_^)つ :tea: {Thank you)


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Interesting and well-written article, thank you for posting it.

I’ll confess to only reading the first section in Japanese before skipping to the English。
私の脳が早く疲れてきたし、大抵怠け者なので、英語の課にスキップしました。 :bowing_man:

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はまずしは「寿司」が使うでしょう? でもスシローはカタカナが使いますね。その別の漢字が見たことないです。面白い話題!

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Thank you for reading this article!

どっちシリーズの第一の目的は、日本語を読む練習ではなく、豆知識の共有なので英語でも読んでいただけて嬉しいです🥳

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はまずしは寿司ですね!大衆的なお店は「寿司」表記が多い気がします。他にも、ちよだ鮨、すしざんまいなど、いろいろな表記があって面白いです😁

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