ワイシャツとカッターシャツの違い 👔 [どっちシリーズ その5]

[English below]

こんにちは!皆さんいかがお過ごしですか?私は先日、断捨離をしました。不要な服をかき集めて、捨てるのは勿体無いので近所の古着屋さんに持っていきました。手放したのは、ワンピース、ズボン、ワイシャツ、Gパン、パーカー、マフラーなど、ゴミ袋二袋分です :muscle:

ところで、上記で挙げた洋服の名前は全部和製英語ですよね。ワンピースは dress、ズボンは pants、シャツ、Gパンは jeans pants、パーカーは hoodie、マフラーは scarf…。英語を学び始めた子どもの頃、カタカナ言葉は基本的にそのまま英語になると思っていたので、和製英語だと知った時は大混乱でした :sob:

逆に、日本語を学ぶ皆さんからしてみれば「なんで pants が 下着という意味で使われているんだ?」とか「T-shirts が Tシャツなのはいいけど、dress shirts がワイシャツやカッターシャツってどういうこと?」となるのでは、と想像します…。

というわけで、今回は「ワイシャツ」と「カッターシャツ」を取り上げて両者の違いを見つつ、なぜこのように呼ばれているのかについて紐解きたいと思います。


ワイシャツとカッターシャツの使い方 :woman_shrugging:

ワイシャツとカッターシャツは、どちらもスーツなどに合わせる前開きの襟付きのシャツのことです。東日本ではワイシャツ、西日本ではカッターシャツと呼ぶ人が多いという話もあります。私は関東地方の埼玉県出身なので、ワイシャツの方が一般的な言い方に思えますが、確かに関西出身の母はカッターシャツと言うことが多いかもしれません。また西日本の地域によっては、スーツの下に着るシャツをワイシャツ、学生服の下に着るシャツをカッターシャツと使い分けているところもあるのだとか。西日本在住の方、要チェックです!


シャツにワイやカッターがついたわけ :eyes:

ワイシャツの名前の由来については、二つの説があるようです。一つは、明治時代に来日した英語母語者が発音した ‘White Shirts’ が、当時の日本人には「ワイシャツ」に聞こえ、そのままそう言うようになったという説。もう一つは、ボタンを外した時の襟の形がYに見えたからという説。ちなみに、ワイシャツはYシャツと表記されることもあります。

カッターシャツのカッターは、英語の cutter かと思いきや、実は日本語の「勝った」から来ているそう(!)スポーツ用品会社ミズノの創業者である水野利八(りはち)が、野球の観戦中に「勝った、勝った」と喜んでいる観客を見て、1918年発売のスポーツ用の襟付きシャツの商品名を「カッター(勝ったー)シャツ」としたのだと言われています。


というわけで、ワイシャツやカッターシャツという名前が生まれた背景はわかったものの、そこには必然性も一貫性もないことが判明しました :joy: 由来は様々ですが、上述の通り、今ではワイシャツもカッターシャツも、襟付きシャツの呼称として同じように使われており、色や柄、用途(スポーツ用など)は問いません。日常的に何気なく使っている和製英語にも意外な歴史があり、いろいろと探ってみるのも面白そうです。

読んでいただきありがとうございました!また来週!千絢 :smirk_cat:

English

Hello! How is everyone doing? The other day, I did some decluttering. I gathered up clothes I didn’t need any more and, instead of throwing them away, I took them to a local second-hand store. I let go of ワンピース, ズボン,ワイシャツ ,ジーパン, パーカー, and more in two bags :muscle:

By the way, all the clothing names mentioned above are Japanese-made English words. ワンピース (one-piece) is a dres,ズボン (zubon) is pants, ワイシャツ (Y-shirts) is dress shirt, ジーパン (G-pan) is jeans, and パーカー (paka) is hoodie. When I started learning English as a child, I thought these Katakana words would remain the same in English. So, when I found out they were Japanese-made English words, I was very confused :sob:

On the other hand, from the perspective of those learning Japanese, I imagine you might think, ‘Why is pants used to mean underwear?’ or ‘It’s fine that T-shirts are Tシャツ in Japanese, but why are dress shirts called ワイシャツ or カッターシャツ?’

This time, I’d like to talk about the difference between ワイシャツ and カッターシャツ, and unravel why they are called as such.


What Are ワイシャツ and カッターシャツ? :woman_shrugging:

Both ワイシャツ and カッターシャツ refer to collared dress shirts. I heard that in Eastern Japan, they are commonly called ワイシャツ, while in Western Japan, they are often called カッターシャツ. I’m from Saitama in Kanto region, so ワイシャツ seems more common to me. But my mother, who is from Kansai region, often uses the term カッターシャツ. In some regions of Western Japan, shirts worn under suits are called ワイシャツ, while shirts worn under school uniforms are called カッターシャツ. For those living in Western Japan, this is worth checking out!


Why Are They Called ワイシャツ and カッターシャツ? :eyes:

There seem to be two theories about the origin of the name ワイシャツ. One theory is that the pronunciation of ‘White Shirts’ by native English speakers who came to Japan in Meiji era sounded like ‘ワイシャツ’ to Japanese people at the time, and it stuck. Another theory is that the collar shape looks like a Y when unbuttoned. Incidentally, ワイシャツ can also be written as Yシャツ.

Like me, you might think カッター in カッターシャツ comes from the English word ‘cutter,’ but it’s actually derived from the Japanese word 勝った (meaning ‘won’). The founder of the sports equipment company Mizuno, Rihachi Mizuno, saw excited spectators shouting ‘勝った, 勝った’ (we won, we won) at a baseball game, and in 1918, he named their collared sports shirt ‘カッター (勝ったー) シャツ.’


So, we now know the background of why the names ワイシャツ and カッターシャツ were born, but we also found out that there’s no necessity or consistency in the naming :joy: Although the origins are varied, as mentioned above, both ワイシャツ and カッターシャツ are now used interchangeably to refer to collared shirts, regardless of color, pattern, or usage (such as for sports).

Japanese-made English words, which we use casually everyday, has a surprising history behind it, and it would be interesting to explore it more in the future.

Thank you for reading! See you next time! Chihiro :smirk_cat:


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面白いシリーズですね!くだらないコメントさせていただきます。

イギリス英語のpantsは下着のことなんですよね。

これもイギリス英語なんですけど、ちょっと古い呼び方だと思います。mufflerと言うとおばあちゃんの思い出が頭に浮かんでいます。

英語圏では、parkaという洋服もあります。フードついている防寒服のようなイメージが強いです。確かにhoodieじゃないですが、厳密に言えば日本語のパーカーは和製英語じゃないと思います。知らないですけど。

個人的にはフランス語っぽいな~と思います。


日本語母語話者の千絢さんに比べて、英語母語話者の僕の"language sense"(日本語の正しい言い方が分からないけど、"language sense"が分かりやすいかもと思って、まあいいか(笑))が全然違うということは本当に興味津々ですよね。僕にとってはワイシャツ、Gパンなどが和製英語臭いです。逆に、パンツとかの初めて聞いたときは、あ、そのままか!そりゃ英語やん!という感じがしました。

ちなみに、初めてウィンドウショッピングという外来語を聞いたとき、凄く驚きました。喋ている人は普通に英語で喋ているように聞こえたぐらい英語っぽっかたです。千絢さん、language sense的にどんな感じですか?和製っぽいですか?

I am also interested how any Americans feel about the above words and phrases as well!

(typo count: 1)

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アメリカ英語とイギリス英語の違いでしたか!パンツやマフラーは最初にイギリスから入ってきたのかなあと想像すると面白いです。ということは、パーカーも含め、和製英語ではなくて外来語といった方がよいですね。

ズボンの由来を調べてみたら、フランス語のジュポンをもとにしている説が出てきました!他に、履く時にずぼんと足が入るからズボンという説も見かけました笑

もともとの言葉を知っていたら、確かにそのままやんと思いますね!ウィンドウショッピングという言葉には、なんとなく銀ぶら(銀座のお店を見ながらぶらぶら歩き回ること)のイメージがあるからか和製英語かなあと思っていましたが自信がなくて、使ってみたら通じたから外来語だったと学んだ覚えがあります 。逆に、ワイシャツとGパンそのものはどこからどう見ても西洋由来なので、カタカナだし、英語としてそのまま使えるんじゃないかと思っていた少女時代がありました :joy:

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改めて、色々勉強になりました。この記事シリーズを書いてくれてありがとう!

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おもろいですよ。逆に、僕は「確かアレ英語からの外来語あるのに的確な発音忘れちゃった」みたいなピンチがよくあります。

そういえば、シュークリームのシューはフランス語のchouxに由来するんですけど、英語ネイティブスピーカーは時々英語のshoeと間違えます。英語もchouxという言葉がありますけど、ある人は知らないらしいです。

セロテープという言葉もイギリスでは使います。それなのに、アメリカ人向けのサイトでも日本人向けのサイトでも和製英語一覧の項目としてよく出ています。

ちょっと脱線しますけど、強いて言えば僕の好きな和製英語はベビーカーです。理由は説明するまでもないと思います(笑)

English speakers, do you know the word “choux”? Do you use the word “sellotape”?

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こちらこそありがとうございます!今後も気軽に楽しんでいただけると嬉しいです :smile_cat:

英語で的確な発音を忘れちゃうというのも面白いです!

それでは、シュークリームを英語のつもりで言うと、shoe cream(靴用クリーム)だと誤解を生んでしまいかねませんね :joy:

セロテープも通じなくて苦労した外来語の一つです。(私は昔フィリピンに二、三年住んでいたことがあるのですが、そこはアメリカ英語が優位だったので)あと、個人的にややこしい外来語はマンションで、未だに集合住宅の意味で使ってしまうことがあります。

ベビーカーはかわいい言葉ですよね。もともとは乳母車と呼ばれていたのに、使用者が乳母に限られないという実情を反映させたのか、ナニーカーなどではなくベビーカーという名前に落ち着いてよかったです :relieved:

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Wow, confusing stuff, but good to know!

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